何故、データ保管にはクラウドが良いのか?クラウドのメリットについてご紹介

目次
      1. クラウドサービスとは
      2. クラウドサービスの利用状況
      3. クラウドにデータを保管する3つのメリット
      4. 様々なクラウドの選択肢
      5. クラウドサービスを利用する際の注意点
      6. クロス・ヘッドのソリューション
      7. まとめ

 


これまで、企業のITシステムは自分達でハードウェアやソフトウェアを購入し、データセンターや社内設備において利用することが主流でした。そのため、データの保存先としてはNASやファイルサーバーを購入して利用されている方が多いのではないでしょうか。しかし、近年企業が生み出すデジタルデータは増加し続けています。生産現場におけるIoTシステムの導入、経理における領収書や請求書などの電子化、プロモーションにおける動画や音楽に代表されるリッチコンテンツの増加等。企業における様々な取組みによりデジタルデータは増加の一途をたどっています。そのような中、データの保管先として注目されているのが、クラウドサービスの活用です。今回はクラウドサービスのメリット、様々なクラウドの選択肢についてご紹介させて頂きます。

1.クラウドサービスとは


改めて、言葉の定義から始めたいと思います。クラウドサービスは「クラウドコンピューティング」や、単純に「クラウド」とも呼ばれています。クラウドサービス事業を展開するアマゾン・ドット・コム・インクによると、クラウドサービスの言葉の定義は下記の通りです。

「クラウド(クラウドサービス、クラウドコンピューティング)」とは、クラウドサービスプラットフォームからインターネット経由でコンピューティング、データベース、ストレージ、アプリケーションをはじめとした、さまざまな IT リソースをオンデマンドで利用することができるサービスの総称です。クラウドサービスでは、必要なときに必要な量のリソースへ簡単にアクセスすることができ、ご利用料金は 実際に使った分のお支払いのみといった従量課金が一般的です。

引用元:https://aws.amazon.com/jp/cloud/

大きな特徴は、これまでハードウェアやソフトウェアの購入、システムの構築・運用・管理などにかかるとされていたさまざまな手間や時間の削減をはじめとして、業務の効率化やコストダウンの可能性があるという点です。「所有から利用へ」と表現されることがある通りで、クラウドサービスでは必要なときだけ利用し、不必要な場合は利用しない、という利用者の都合に合わせた柔軟な選択が可能です。ちなみに、何故「クラウド」という言葉なのかという点については、利用者から見てインターネットの先にある自分が利用しているコンピュータの実際に見えにくいことを、図で雲のかたまりのように表現したことから「cloud=雲」という名称がついたと言われています。

2.クラウドサービスの利用状況

実際の日本のクラウドサービス利用状況について、令和4年版情報通信白書では以下のような図が掲載されています。


出典:総務省ホームページ 令和4年版情報通信白書

こちらは集計企業対象数2396社に対する回答の結果を図示したもので、令和4年では70%超える企業が何等かの形でクラウドサービスを利用していることが分かります。それだけ多くの企業で、クラウドは活用されているということです。

また、同資料における利用サービスの内訳における最多の項目は「ファイル保護・データ共有」であり、クラウドサービスはデータの保管先としての活用に注目が集まっていると言えます。

出典:総務省ホームページ 令和4年版情報通信白書

3.クラウドにデータを保管する3つのメリット


前述のデータにある通り、データの保管先として注目が集まるクラウドサービスですが、何故クラウドサービスにデータを保管しようと考える企業が増えているのでしょうか。そこには、クラウドのメリットが大きく関係していると考えられます。今回は3つのメリットについてご紹介します。

A)初期費用の最小化

従来は事前にデータセンターやシステム環境のために、設備やハードウェアに対する投資が必要でした。クラウドサービスを利用することで、そうした初期投資は利用者側で不要となります。多くのクラウドサービスの場合、利用者は使用した分だけ費用を払う従量課金モデルや、月額固定のサブスクリプションモデルに基づいて利用料金を支払うことになります。

B)柔軟な拡張性

必要に応じてリソースの増減を行いやすいという点も、クラウドサービスのメリットです。従来のシステム導入では、アプリケーションの導入に先立ってハードウェアキャパシティを決める必要がありました。そのため、実際に必要なリソースよりも大きな性能の機器を購入する等の過剰投資が生じていたケースもあるかと思います。クラウドサービスでは必要にスケールアウト/スケールイン、スケールアップ/スケールダウン比較的容易に行えることから、スモールスタートと柔軟な拡張性を実現することが可能です。

C)運用・保守の負担軽減

ある意味で最もシステム担当者にとって最も重要な要素だと思いますが、ハードウェア資産を持たなくて済むため、ハードウェアの保守作業や運用作業が不要になります。情報システム部門の方は、棚卸であるとかビル停電の度にシステムが正常起動を確認するために立ち合いが必要であるとか、何かとハードウェアを保有している場合には運用・保守で手間がかかるかと思います。クラウドサービスの場合、それらの作業はサービス事業者側の責任範囲となるため、利用者側の負担軽減に繋がります。

4.様々なクラウドの選択肢


ここまで見てきた通り、クラウドには様々なメリットがあります。ここからはデータの保管先として利用できるクラウドの選択肢について、2つご紹介させて頂きます。どちらにもメリットがあり、利用する企業の特性に合わせて選択することになります。

A)ファイルサーバーを構築する

主にIaaS(Infrastructure as a Service)と呼ばれるクラウド上で仮想サーバーのサービスを利用し、従来通りのファイルサーバーを構築して利用する方法です。いままで社内で利用していたファイルサーバーと殆ど変わらない機能が利用できます。例えば、仮想サーバー上にWindows Server OSのファイルサーバーを構築することで、エクスプローラーアクセスやActive Directoryによるアクセス権限設定が可能になります。運用方法を変えないで済むという点は一つ大きなメリットです。基本的に、ファイルサーバーはプライベート接続性の元で運用することを想定されているため、インターネット越しで利用するクラウドの場合は通信環境の整備が必要となります。

B)クラウドストレージサービスを利用する

SaaS(Software as a Service)と呼ばれる形式で提供されている、データ保存用の専用サービスを利用する方法です。殆どの場合において、クラウドストレージサービスはHTTPS接続を前提に提供されており、インターネット通信が可能な環境であればいつでも利用できる特徴を持ちます。VPNや専用線のようなプライベート接続性を必要としない点が特徴です。基本的にはブラウザアクセスになるため、既存のファイルサーバーやNASからクラウドストレージに乗り換える際、利用者向けの教育が必要になる場合もあります。

5.クラウドサービスを利用する際の注意点


前述の通り、様々なメリットがあるクラウドサービスですが、利用の際に注意しなければならない点もいくつかあります。今回は3つの注意点を挙げさせていただきます。

A)実現したい/利用したい機能

クラウドのデメリットともいえる、カスタマイズ性についてです。基本的にはクラウドサービス事業者が用意したサービスを「利用する」立場であることから、従来の自社でシステムを保有して開発することに比べて自由度は低くなります。そのため、自分達が利用したい、実現したいと考える機能が利用できるかどうかという点について、事前の確認が重要です。例えば、ファイルサーバー上のデータに対してActiveDirectoryユーザーによるアクセス権管理をしていたのに、利用しようとしたクラウドサービスではそれができない、なんてことが起きてしまうと大変です。無料トライアルやPoCによる検証で、自社利用に適したサービスか確認を行いましょう。

B)運営企業についての調査

クラウドは事業者が用意した資産を借りるサービス体系です。そのため、事業者がサービスの提供を中止してしまうリスクが考えられます。利用していたクラウドのデータ保管サービスが急にサービスを停止することになってしまえば、急いで次のデータ保管先の選定やデータ移行作業を実施する必要性に迫られることになります。企業の破産等によりサービスが停止してしまう可能性もあるため、運営する企業の健全性についても調べておくことが望ましいでしょう。

C)課金対象

クラウドの場合、初期投資が不要な代わりにランニング費用を支払い続けることで、必要なサービスを利用することができます。この課金対象について事前に調査しておくことが大切です。例えば、時間単位で課金されるのか、ユーザー数に応じて課金されるのか、等。これらを複合的に組み合わせているケースもあります。実は利用するデータ容量以外にも通信料に課金が発生しており、予想以上にコストが膨らんでしまった、なんてこともあり得ます。コスト算出の際には専門企業に相談することもオススメです。

6.クロス・ヘッドのソリューション

クロス・ヘッドでは既存のデータをクラウドへ引越しするためのソリューションサービスや、データの保存先として活用可能なクラウドストレージサービスの取り扱いがあります。今回は2つのソリューションサービスについてご紹介させて頂きます。

デジタル・ワゴン for ファイルサーバー

クロス・ヘッドではファイルデータの引越し専門サービス「デジタル・ワゴン for ファイルサーバー」を提供しています。デジタル・ワゴンではクラウドでのデータ統合・運用を支援するための3つの特徴を持ちます。詳しくはこちらからご確認ください。

Wasabi Hot Cloud Storage

Wasabi Hot Cloud Storageは、低コストで高速な書き込み・読み込みを実現する、米国発のクラウドストレージサービスです。ご利用金額は、「容量×年数」のみです。インターネットへのアウトバウンドトラフィックに対する従量課金や、APIリクエストの回数における課金が発生しません。詳しくはこちらからご確認ください。

7.まとめ

如何でしたでしょうか。取り扱うデータ量の増加に伴い、クラウドにデータを保管するニーズは高まっています。クラウドを利用することで、拡張性や費用面でのメリットもあります。一方でどのサービスを選定すべきか、様々な注意点もあり、今回は3つご紹介させて頂きました。自社に適したクラウド環境を選択することが大切です。
クロス・ヘッドでは「Cloud Compass」という名称のもと、AWSを中心としたクラウド活用総合支援サービスを展開しております。運用監視のアウトソースやお客様内製化のための伴走型支援、SESによる業務代行やコンサルティング等、多種多様な方法でご支援が可能です。クラウド活用の一歩目からご支援させて頂きます。気軽にご相談ください。

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