データのバックアップ先は何がおすすめ?クラウドストレージやHDDの特徴もご紹介

目次
      1. バックアップとは?
      2. データバックアップとシステムバックアップ
      3. なぜバックアップが必要なのか
      4. バックアップの基本「3-2-1ルール」
      5. バックアップメディアの比較
      6. バックアップ先にオススメのクラウドストレージ
      7. Wasabi Hot Cloud Storageのご紹介
      8. まとめ

 


皆様、大切なデータのバックアップ、行えていますか?最近ではDX推進というキーワードの元で、システム導入やクラウドサービスの利用が進み、業務の中で取り扱うデジタルデータの量が増加している企業様も増えているのではないでしょうか。そんなデジタルデータは企業にとって大事な資産。機器故障や従業員の操作ミスでデータが失われてしまうことは、できるだけ避けたいリスクですよね。そこで重要なことが、データのバックアップです。適切にバックアップを行うことが、企業の大切な資産を守ることにつながります。流行のサイバー攻撃としても注目されているランサムウェアの対策においても、バックアップは重要な要素の一つです。
今回のコラムでは、改めて何故バックアップが必要なのか、バックアップの基本的な考え方、バックアップ先メディアの代表的な選択肢、オススメのバックアップメディアについてご紹介をさせて頂きます

1.バックアップとは?


まず、言葉の定義からおさらいしたいと思います。バックアップとは、主にデータやシステムの状態を複製(コピー)して、問題発生時の復旧に備えることを意味します。つまり、有事の際に望ましい状態に戻せるように、特定時点でのシステムやデータの状態を別の場所にコピーしておくこと、これがバックアップです。
主な対象としてデータとシステムをあげましたが、この2種類は少し異なるバックアップの考え方が必要になります。

2.データバックアップとシステムバックアップ


ここでは、データバックアップとシステムバックアップの違いについて簡単にご紹介させていただきます。例として、社内で運用されているファイルサーバーを想定してご説明いたします。
データバックアップの場合は、ファイルサーバーに保存されたデジタルデータが対象となるバックアップです。ユーザーが個々にファイルデータを作成・保存している情報がオペレーションミスや機器故障で失われてしまうことは困りますよね。そうした「データの破損や消失」のリスクを回避・軽減するためのバックアップが、データバックアップです。そのため、いつ時点までデータを遡って戻すことができるのか、データ個別を特定して戻すことができるのか、といった考え方が重要になります。
一方、システムバックアップの場合は、ファイルサーバーそのもの、OSやアプリケーションを丸ごと対象としたバックアップです。仮にファイルサーバーが大規模災害で消失してしまった場合、データをバックアップしていてもシステムそのものが再構築されなければ、ユーザーはデータを利用することができません。そのような「災害や障害」のリスクを軽減するためのバックアップが、システムバックアップです。
今回のコラムでは、以降データのバックアップという点に焦点を当ててご紹介させていただきます。

3.なぜバックアップが必要なのか


前章でも少し触れておりますが、改めてなぜバックアップが必要なのかという点をおさらいましょう。バックアップが必要な理由、それは事業継続性のためです。デジタルデータを大量の保管しているNASやファイルサーバーを考えてみましょう。データを保管している機械は永遠に使えるわけではなく、必ず老朽化していきます。購入から数年経過した後、故障によりデータにアクセスできなくなる、なんてこともありえます。また、大規模な地震や津波等の自然災害によって、ファイルサーバーそのものが失われてしまうことも考えられます。最近ではランサムウェアなどのマルウェア攻撃により、データにアクセスできなくなり、金銭を要求されてしまうケースも珍しくありません。
企業で保管しているデジタルデータの多くは、営業秘密や個人情報等、ビジネスにおいて重要なデータではないでしょうか。それらのデータが失われてしまう、あるいはアクセスできなくなるとなれば、事業の継続に甚大な影響を及ぼします。
こうした問題に備えるために、適切なバックアップを行うことが重要となります。

4.バックアップの基本「3-2-1ルール」


バックアップのルールとして有名なものに、「3-2-1ルール」というものが存在します。その昔、米CISAの傘下組織であるUS-CERTが提唱した、データバックアップに関する推奨策のことを指します。3-2-1という数字がそれぞれの対策に求められる数となっています。それぞれ、以下のような考え方です。

  • 3つのデータコピーを作成する。
  • 2つの異なる媒体に保管する。
  • 1つはオフサイト環境に保持する。

1つ目の3つのデータコピーは、3つの複製データを持つことで、人的ミスや災害による完全なデータ消失リスクを低減させることに繋がる考え方です。オリジナルデータから複数の複製データを作成するよりも、1つの複製データから、更にコピーすることで3つのデータコピーを作成することが望ましいと考えます。リストア時にどの複製データから戻すかによって差分が生じてしまうことも、あまり望ましくはないですよね。
2つの異なる媒体への保管は、先ほどの複製データを分散して保持することについての言及になります。3つの複製データを、例えば同じストレージに保存していると、そのストレージのハードディスクが破損した際に全てのバックアップデータが失われてしまうリスクがあるためです。
1つのオフサイト環境への保持は、大規模災害に備えるための要素です。コピー3つのうち、1つは複製対象の拠点から物理的に離れた場所に保管することです。災害などにより壊滅的な被害を受けたとしても、遠隔地に保管されたコピーからデータを復元できるようにする、ということになります。
なかなかハードルが高いように見えますが、人的ミスやサイバー攻撃に対してデータを守るという意味で、非常にわかりやすい考え方の一つではないでしょうか。

5.バックアップメディアの比較


では、実際にデータをどのような場所にバックアップするのが良いでしょうか。今回はよく利用されるメディアに焦点を当てて、それぞれのメリット/デメリットについてご紹介させていただきます。

HDD

ハード・ディスク・ドライブの略で、パソコンやサーバーのデータ保存によく使われている磁気ディスクの記憶装置です。皆様にとっても、後述のSSDと合わせて馴染み深いメディアの一つではないかと思います。容量当たりの単価が安く、数百GB~数TBまでと大容量にも対応しています。実はメディアの寿命は3、4年程と短いため、NASやバックアップ用のサーバーとして利用する際にはRAIDによる冗長構成が重要となります。外部からの衝撃や振動に弱いという特性もあり、故障リスクに注意が必要なメディアとも言えます。

SSD

ソリッド・ステート・ドライブ)の略で、HDDと同じように使えるフラッシュメモリの記憶装置です。最近のパソコンでは、HDDの代わりにSSDが搭載されたモデルも増えており、こちらの方が良く知られているかもしれません。ハードディスクに比べて高額で、大容量化は進んでいるものの良く利用されるサイズは512GB程と、HDDに比べると控えめです。HDDに比べてデータ転送速度が速く、静穏性に優れ、物理的に動作する箇所が少ないことで衝撃に強いという特徴を持ちます。寿命としては5年程と言われております。

磁気テープ

音楽カセットテープやビデオテープなどに使われていた記憶装置です。現在、磁気テープ保存技術の主流となっているLTO(Linear Tape-Open)では、LTO-9で18TB(圧縮時:45TB)までの大容量化が進んでおり、テープ寿命も30年程と長期保存に適したメディアといえます。ただし、磁気テープにとっては、強い磁気や埃により破損やエラーの原因になることがあるため、利用環境における配慮や定期的なメンテナンスが必要です。

クラウドストレージ

オンライン上でデータの保存・共有ができる、クラウドサービスのことを指します。容量や耐久性はクラウドサービスを提供する事業者により異なります。今までのメディアと異なり、自分達でハードウェアの管理が不要であるという点は大きな特徴です。ハードウェアに関する保守や運用を利用者側では考える必要がなくなります。また、多くのクラウドサービスでは容量の増加に対して柔軟に対応することができるため、大容量のデータ取扱いにも対応することが可能です。欠点として、インターネット接続が前提となり、オフライン環境では利用できないことがあげられます。

6.バックアップ先にオススメのクラウドストレージ


様々なバックアップメディアを見てきましたが、比較する中で何が最も良いのか、皆様も悩んでしまいますよね。目的に合ったメディアを選択しましょうと言ってしまえばその通りですが、ここでは先に述べた「3-2-1ルール」に準拠しやすいソリューションとして、クラウドストレージをオススメしたいと思います。3つのデータコピー、2つの異なるメディア、1つのオフサイトというルールに準拠しようと考えた際に、クラウドストレージを活用することでユーザー側の手間を大きく省くことが可能です。今回はクラウドストレージの一つとして、当社取り扱いの「Wasabi Hot Cloud Storage」についてご紹介しながら、クラウドストレージがバックアップ先にオススメの理由についてご紹介いたします。

7.Wasabi Hot Cloud Storageのご紹介


Wasabi Hot Cloud Storageは、ホットな次世代ストレージです。Hotの意味が辛いということもあり、実際にあの山葵から命名されたそうです。Wasabiの詳細については、こちらの弊社サービスページにも記載がございます。

簡単にご紹介させていただきます。Wasabiがバックアップにおいて優れている点として、以下3点があげられます。
1.「容量×期間」の分かりやすい従量課金モデルである
2.複数のデータセンターで利用可能である
3.セキュアなデータセンターで運用されている信頼性

1.「容量×期間」の分かりやすい従量課金モデルである

一般的なクラウドストレージではストレージ容量課金に加えて、インターネットへのアウトバウンドトラフィックに対する従量課金や、APIリクエストの回数における課金等、ストレージ容量以外の課金条件が設定されている場合があります。そのようなストレージでは、バックアップでデータを保管した時にはストレージ容量だけでコストは済んでいたのに、有事の際にリストアをしようとしたところ、ストレージからデータを取り出す際のトラフィック量に課金されて想像以上にお金がかかってしまった、ということもあります。WasabiはアウトバウンドトラフィックやAPIリクエストに対して一切課金が発生しません。コストの予測がしやすく、運用面においても優れています。

2.複数のデータセンターで利用可能である

Wasabiでは東京にデータセンターが複数あるだけでなく、大阪拠点のデータセンターからもサービスを提供しており、日本国内でもオフサイトにデータをコピーする災害対策が可能です。自社でストレージを運用して複数のデータセンターを契約して管理・運用することに比べると楽になりますよね。

3.セキュアなデータセンターで運用されている信頼性

Wasabi Hot Cloud StorageはSOC-2、ISO 27001、PCI-DSSの認証を受け、高いセキュリティと冗長性が確保されたデータセンターで運用されています。また、転送中および保存中のデータは全て暗号化され、保護されています。
加えて、イミュータブルストレージとしての機能も設定が可能です。この機能を利用することで、指定した期間、保存されたデータの変更が一切できなくなります。話題のランサムウェア対策の一つとしてもご利用頂けます。

8.まとめ

いかがでしょうか。今回はバックアップの目的や、データのバックアップ先としていくつか代表的なメディアについてご紹介させていただきました。企業にとって重要な情報資産を保護するためにも、バックアップは重要です。このコラムが、皆様の大切な情報資産を守るために、少しでもお役に立てば幸いです。
当社では今回ご紹介したクラウドストレージ「Wasabi Hot Cloud Storage」の取り扱いはもちろん、そのほかクラウドを活用したソリューションを多数展開しております。お客様の企業ステージに合わせたクラウド活用を伴走型で支援するためのクラウド総合ソリューション、「Cloud Compass」を展開しております。データの移行、バックアップ、アーカイブ等でお悩みの方は、気軽にご相談ください。

 


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