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「ファイルサーバーはクラウド型がおすすめだと聞いたけど、どのようなサービスなのか分からない」「現在のファイル管理体制が不安」といったお悩みを抱えている企業の方は少なくありません。クラウド型ファイルサーバーの導入には様々なメリットがありますが、デメリットもあります。導入する場合は、自社に合っているか確認することが大切です。
この記事では、クラウド型ファイルサーバーがどのようなサービスなのか詳しく解説します。おすすめのクラウド型ファイルサーバーもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.クラウド型ファイルサーバーとは?
クラウド型ファイルサーバーとは、クラウド上に構築された、様々なデータを保管することが出来るファイルサーバーまたはサービスのこと指します。
クラウド型ファイルサーバーはインターネットを通じてどこからでもアクセスすることができ、社内外でスムーズにデータ共有ができます。
2.クラウド型ファイルサーバーのメリット
クラウド型ファイルサーバーのメリットは、以下の4点です。
【メリット】
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- リモートワーク環境で利用しやすい
- サーバー運用が不要
- 拡張性が高く、多人数で利用できる
- ファイル共有の利便性が高まる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
リモートワーク環境で利用しやすい
クラウド型ファイルサーバーは、リモートワーク環境で利用しやすいという特徴があります。
社外から社内のファイルサーバーを利用する場合はVPNを経由するのが一般的ですが、VPN経由でアクセスをする場合はクライアントの利用環境を整備しなければなりません。また、同時に利用できる人数や通信帯域にも配慮した環境を用意する必要があります。これは一時的なピーク時を想定した環境にする必要があるため、コストも多くかかってしまいます。
一方、クラウド型ファイルサーバーを利用する場合は、クラウドのサーバーへ利用者の環境から直接アクセスするため、社内のネットワーク環境に依存せずに利用できます。
ファイルサーバー運用が少なくなる
クラウド型ファイルサーバーでは、これまでオンプレミスで行っていた運用保守業務が軽減されます。
オンプレイス型ファイルサーバーの場合、OSのアップデートやハードウェアのメンテナンスなどの業務を行う必要があります。
しかし、クラウド型ファイルサーバーのサービスを利用する場合は、そういった業務はサービス提供側で対応することがほとんどのため、利用者はファイルサーバーの機能だけを使用でき、運用負荷を大きく下げることが可能です。
拡張性が高く、柔軟な利用ができる
拡張性が高くで使用人数が増えても問題なく利用できるのも、クラウド型ファイルサーバーのメリットです。
オンプレミス型ファイルサーバーだと、利用人数が増え容量が不足した場合に、その都度サーバーの増設やハードディスクの追加が必要です。
その点、クラウド型ファイルサーバーなら事業を拡大しデータ容量が増えた場合でも、プラン変更やオプションの追加で迅速な拡張が可能です。システム拡張やストレージ追加が手軽に行えるため、ディスク容量の枯渇への対応も容易です。
ファイル共有の利便性が高まる
クラウド型のファイルサーバーには、クラウド上で複数の利用者が編集・加工できる機能や外部に共有する際に制限を掛けることが出来ます。
例えば、オンプレミス型ファイルサーバーの場合、1つのファイルに編集できるのは1名までという排他制限などを掛けるのが一般的です。しかし、クラウド型ファイル共有サービスの中には複数の利用者が同時に編集することが出来るサービスもあります。また、外部の利用者に共有する際、閲覧は許可するが編集はさせないなどの制限を掛けることも出来ますので、組織外部とのセキュアな連携も可能です。
3.クラウド型ファイルサーバーのデメリット
クラウド型ファイルサーバーのデメリットは、以下の2点です。
【デメリット】
- カスタマイズ性が引くいこと
- セキュリティ対策が困難なこと
メリットだけに注目してクラウド型ファイルサーバーの導入を決めると不便になるので注意が必要です。クラウド型ファイルサーバーを導入する際には、デメリットについても必ず把握しておきましょう。
カスタマイズ性が低いこと
クラウド型ファイルサーバーでは、基本的に事業者が提供する機能のみしか利用できません。そのため、自社でハードウェアから調達して構築することに比べると、自由度は低くなります。IaaSであれば比較的同様の設計が可能ですが、SaaSの場合は事業者側で操作できる機能を制限している場合が多いです。
その代わりに初期構築の手間や運用範囲が少なく、コストが安いことが多いとも言えます。
セキュリティ対策が困難なこと
クラウド型ファイルサーバーでは、セキュリティ対策に注意が必要です。
もちろん、オンプレミス型ファイルサーバーのセキュリティ対策が困難ではないというわけではありませんが、クラウド型ファイルサーバーの場合は物理的な対策が行えないという点が特徴となります。
自社で保管して物理的にアクセスできる人間を制限できるようなオンプレミス環境とは異なり、誰でも接続できてしまう可能性があるクラウドという環境でのセキュリティ対策が必要になるということです。
そのため、接続方法、通信やデータの暗号化、アクセス権等を適切に計画する必要があります。提供事業者を選定する際にも、これらの要素は重要となります。
4.クラウド型ファイルサーバー おすすめケース
クラウド型ファイルサーバーの導入を検討する場合、自社に合ったサービスなのか不安に感じているケースも多いのではないでしょうか。クラウド型ファイルサーバーがおすすめできる3つのケースをご紹介します。
【クラウド型ファイルサーバー おすすめケース】
- 自社でハードウェアを持ちたくない
- データを組織で共有・活用したい
- テレワークや出張の従業員が多い
ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
自社でハードウェアを持ちたくない
オフバランスの最適化や、ハードウェアの保守・運用費用を軽減したい等の目的から、自社でハードウェアを持ちたくないと考えられている企業様には、クラウド型のファイルサーバーはおすすめです。
例えば情報システムの担当者が運用・保守にかかる手間が大きな負担に感じられている場合、クラウドサービスの利用によりそれらの負担を軽減することで、情報システムの担当者がIT投資やシステム改善等の本来業務に集中する時間が捻出できる可能性があります。
データを組織で共有・活用したい
業務に関するデータ管理を組織で共有し、活用したいと考える場合にも、クラウドサービスはお勧めです。オンプレミスではできないという訳ではありませんが、クラウド型ファイルサーバーであれば出張先と本社のように距離の離れた環境同士でもデータをリアルタイムに共有しあうことが可能です。
メールでデータを個別に送付してバラバラに管理してしまうよりも、クラウド型ファイルサーバーの上で一元管理することの方が、データの一貫性も保ちやすいメリットがあります。
テレワークを推進したい
業務効率を落とすことなくリモートワークを行うためには、クラウド型ファイルサーバーの導入が最適です。従業員にとって働きやすい環境を整えることで、優秀な人材を確保でき、業績アップも期待できるでしょう。リモートワークのニーズがある場合は、クラウド型ファイルサーバーの導入も合わせて検討してください。
5.クラウド型ファイルサーバーおすすめ5選
クラウド型ファイルサーバーを導入したいけれど、違いがわからずどのサービスを選べばいいか分からないという企業の方も多いのではないでしょうか。
続いては、おすすめのクラウド型ファイルサーバーをご紹介します。
【おすすめのクラウド型ファイルサーバー】
- Microsoft 365
- Dropbox Business
- Box
- AWS WorkDocks
- AWS Fsx
Microsoft 365
Microsoft 365は、Windowsのアプリケーションと親和性が高いことが特徴です。
保存できるファイルはWord・Excel・PDF・写真・動画などで普段からMicrosoft社のサービスを利用している人におすすめ。
Dropbox Business
Dropbox Businessは、全世界で5億人以上が利用しているDropboxのビジネス向けサービスです。
無料トライアルが用意されており、試験的に導入してみるのもおすすめ。また、Dropboxは利用したことがある人も多いと思いますので、まずは馴染みのツールで業務効率化を、という場合に使いやすいでしょう。
box
Boxは、全てのプランで容量が無制限なのが特徴です。容量の大きなファイルでも圧縮することなく共有できます。
権限と共有設定は7種類から選択でき、用途に合わせてファイル共有が可能。使いやすいサービスが業務効率向上を手助けしてくれます。
AWS WorkDocs
AWS WorkDocsとは、マネージドファイル共有サービスです。クラウド型ファイルサーバーに関する全ての管理をアウトソーシングしたいという企業にぴったり。仮想デスクトップサービスであるAmazon WorkSpacesと組み合わせてもご利用いただけます。
AWS FSx
AWS FSxとは、AWSの提供するストレージサービスのことです。構築対象とするファイルシステム等の違いにより、様々な種類が提供されています。
- Amazon FSx for Windows File Server
- Amazon FSx for NetApp ONTAP
- Amazon FSx for OpenZFS
- Amzon FSx for Lustre
例えば、今までWindowsを社内サーバーとして利用していた企業の場合は、Amazon FSx for Windows File Server を利用することで、使用感を殆ど変えずにクラウドストレージへの移行が可能となるでしょう。
6.まとめ
今回は、クラウド型ファイルサーバーの特徴とおすすめのサービスについてご紹介しました。社外でファイルを利用する部署がある企業やリモートワークを導入している企業にとって、クラウド型ファイルサーバーは最適です。しかし、自社に合ったサービスを選ばないと、メリットを最大限に享受できません。
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