「クラウド」と「ホスティング(レンタルサーバー)」の違いをわかりやすく解説!

目次
      1. クラウドとホスティングの違い
      2. クラウドを利用するメリット・デメリット
      3. ホスティングを利用するメリット・デメリット
      4. クラウドとホスティング、どっちがおすすめ?
      5. まとめ

 


皆様は、どのようなサービスを利用して自社のコーポレートサイトを準備していますか?
多くの方は、ホスティングサービスか、パブリッククラウドサービスを利用されているのではないでしょうか。
ただし、その違いなどははっきりわからないことも多く、自社が使用しているサーバーが本当に最適な選択なのか、自信がないという企業の方も多いかもしれません。

この記事では、ホスティングとクラウドの違いについて特徴も合わせて解説します。また、自社が選ぶべきサーバー環境はどれなのか、判断するためのポイントについてもご紹介します。

ぜひ参考にしてください。

1.クラウドとホスティングの違い


クラウドもホスティングも、ベンダーが所有・管理しているサーバーをネットワーク経由で利用するサービスです。サービスとして違いはありますが、「ベンダーが所有し、管理している環境を利用する」という点では同じであるため、両者を混同してしまう方も多いのではないでしょうか。

ここではそれぞれについて説明します。

● クラウドとは?
● ホスティングとは?
● クラウドとホスティングの違い

クラウドとは?

クラウドとは「クラウドコンピューティング(Cloud Computing)」を略した呼び方で、利用者がサーバーやネットワークを所有せず、クラウド事業者が提供するコンピューティング資源を、ネットワーク経由でサービスとして必要な分だけ利用する仕組みのことです。クラウドには大きく3つの種類があります。

  •  IaaS (Infrastructure as a Service)
    インフラ機能を提供するサービス
  •  PaaS (Platform as a Service)
    プログラムを開発するプラットフォームを提供するサービス
  •  SaaS (Software as a Service)
    アプリケーションの機能などを提供するサービス

最も利用者の自由度が高いのはIaaSですが、IaaSではソフトウェアのインストールや環境構築のほとんどが利用者側の責任範囲となるため、サービスの立上げに多少時間がかかります。一方、SaaSはIaaSに比べて操作できる範囲が少ない代わりに、利用したい機能のほとんどが事業者側で準備された状態にあり、利用者はすぐにサービスを始めることができます。PaaSはIaaSとSaaSの中間のようなイメージです。

ホスティングとは?

ホスティングは、レンタルサーバーと呼ばれることもあります。主にプロバイダーが保有するデータセンター内のサーバー資産を、インターネット経由で貸し出すサービスです。利用形態だけで言えば、クラウドとほとんど変わりません。

ホスティングは主に3種類ありますが、現在は仮想専用サーバー(VPS)という形式が主流です。

  •  共有ホスティング
    1台のサーバーを複数のユーザーで共有し利用する。1つのサーバーリソースを分け合うため自由度が低い分、コストが安い。
  •  専有ホスティング
    1台のサーバーを1ユーザーが専有的に利用する。他者からの影響も少なく自由な運用が望めるが、コストが高い。
  •  仮想専用サーバー
    実態は共有ホスティングだが、機能的には専用ホスティング同様の、仮想サーバー上にたてた専用サーバーを利用する。

クラウドとホスティングの違い

クラウドもホスティングも、サービス提供元が所有・管理しているサーバーをネットワーク経由で利用する点では共通しています。

しかし、ホスティングの場合は契約内容がスペック毎にパッケージ化されている場合が多く、利用量に関わらず月額料金は固定されている点がメリットとして挙げられます。一方で契約時の初期費用が必要であり、マシン性能の変更やサービスの拡張等を行う場合には事業者の手続きフローに則る必要があるなど利用者側にとって柔軟性が低いことに注意が必要です。

それに対してクラウドは従量課金制がほとんどで、利用料に応じて金額が変動します。ただし、性能変更やサービスの追加・削除も基本的には利用者側で自由に選択することが可能です。手間のかからない柔軟性という意味では、クラウドに軍配が上がります。しかしそれゆえに利用するサービスに対する理解力が重要となります。知らないうちに高額なサービスを利用してしまわないよう、注意が必要です。

2.クラウドを利用するメリット・デメリット


では、具体的にクラウドを利用することでユーザーにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。クラウドのメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

クラウドを利用するメリット

クラウドを利用するメリットには、以下の2つが挙げられます。
● 機能のカスタマイズ性や柔軟性が高い
● 導入費用を削減できる

機能のカスタマイズ性や柔軟性が高い

クラウドではサービスがパッケージ化されているホスティングに対し、ユーザーが自由にリソースを選択することができます
そのため自社のシステムに最も適した形で、OSやメモリ、データベースを採用することが可能です。

また、業務の拡大などによって導入後に変更の必要が出てくることもあります。その際、クラウドなら数クリックで即座にスペックを変更できます。AWSではAuto Scalingと呼ばれる機能を利用することで、システムの負荷状況に合わせてサーバー台数を自動的に変化させることも可能です。

導入費用を削減できる

もう一つのクラウドを利用するメリットとして、導入費用が安いことが挙げられます。

クラウドでは初回の契約手数料のようなものはなく、初期費用が殆どかからないため気軽にサービスの利用を開始できます。不要になればその段階ですぐにやめることも可能です。そのため例えばキャンペーンサイトの運営など、一時的にサーバーを利用したい時にも向いています。

クラウドを利用するデメリット

クラウドを利用するデメリットには、以下の2つが挙げられます。
● 利用コストの予測が難しい
● 使いこなすためにある程度の知識が必要

利用コストの予測が難しい

クラウドのサービスは、要求する性能やサービスの内容と利用時間に応じた従量課金です。利用者が柔軟に利用サービスを変えることができるというメリットの反面、利用方法の変更により発生するコストについては、利用者側で予測する必要があります。クラウドサービスに対する理解を高め、請求金額を事前に把握しておくことが大切です。

使いこなすためにある程度の知識が必要

クラウドの場合、考え方がこれまでのオンプレミス環境とは異なるため、設計構築に際してクラウド独自の考え方を習得しなければなりません

また、多数あるサービスに対する知識も必要になります。実際にIaaSにおいて代表的なAWS(Amazon Web Service)では、2022年現在で200以上のサービスが存在しています。これらを適切に活用していくには、膨大な知識量が求められます。

3.ホスティングを利用するメリット・デメリット


続いては、ホスティングサーバーのメリット・デメリットをご紹介します。

ホスティングを利用するメリット

ホスティングを利用するメリットとして、以下2つが挙げられます。
● 運用負担を軽減できる
● 利用料金を明確にできる

運用負担を軽減できる

ホスティングの場合、ベンダーが対応してくれる範囲が広いのが特徴です。サーバーのメンテナンス・トラブル対応などのサーバー運用をベンダーに任せることが可能なので、利用者側の運用負担が軽減されます。サーバー設置に必要なスペースを自社で確保する必要もありません。

また自社でサーバーを管理運用する必要がないため、専門知識をもった人材の採用活動からも解放されます。

利用料金を明確にできる

ホスティングでは、利用料金が月額固定です。クラウドのように従量課金制ではないため、月によって利用料金に差が出ることもありません
年間の利用料金も、月額料金×利用月数で簡単に算出できます。
月額料金はサービス提供元やプランによって異なるため、自社に合う予算でサービスを選択できるよう、選定作業時にはよく確認しましょう。

ホスティングを利用するデメリット

ホスティングを利用するデメリットとして、以下2つが挙げられます。
● 柔軟性が低い
● 利用者同士で影響を受けることがある

柔軟性が低い

ホスティングでは、サービス提供元があらかじめ用意したサーバー環境をレンタルして使用するため、カスタマイズを自由に行うことができません
サーバーのスペックを変更したい場合にはプラン変更の手続きが必要となり、場合によってはサーバー移行のための作業が発生してしまいます。

利用者同士で影響を受けることがある

1台のサーバーを複数のユーザーで共有する「共有ホスティング」の場合、他のユーザーの利用状況によって影響を受けることがあります
例えば他のユーザーがCPUやメモリを大量に消費する処理を行っているとします。すると、他のユーザーに対するサーバーリソースが圧迫され、処理速度が遅くなってしまうといった影響があり得ます。

4.クラウドとホスティング、どっちがおすすめ?


クラウドとホスティングの特徴や違いについてご紹介しましたが、結局のところどちらを選ぶべきなのでしょうか。
選択にあたっては、サーバーの利用方法や企業内の人材状況が大きなポイントです。ここでは、以下2つのパターンについてご紹介します。

● クラウドがおすすめのパターン
● ホスティングがおすすめのパターン

自社の状態と照らし合わせてチェックすることで、どちらのサーバーを導入するべきか参考にしてください。

クラウドがおすすめのパターン

クラウドサーバーがおすすめなのは、以下のパターンです。
● ECサイト
● ゲーム・アプリ
● WEBサービス

アクセスの変動が激しかったりリソースの増減が求められたりする場合は、クラウドの利用がおすすめです。
前述のとおり、クラウドには通信状況に応じて自動でサーバーのスケールアウト・スケールインを実行するオートスケーリング機能も備わっており、必要な時に必要な分だけ容量を大きくし、不要になれば小さく戻すといった柔軟な対応が可能となります。
同じ通信状況でホスティングを利用する場合は、最大負荷時に合わせたプランで常時稼働させる必要があり、コストに無駄が生じかねません。

ホスティングがおすすめのパターン

ホスティングサーバーがおすすめなのは、以下のパターンです。
● 小規模なブログサイト
● 企業ホームページ

ホスティングは小規模向けサービスが用意されている場合もあり、利用料金を安く抑えて常時サービスを稼働している必要がある場合にはホスティングの利用がおすすめです。クラウドに比べコストを抑えられる他、夜間のシステムトラブル時にもサービス提供元に対応を任せられるので運用の負担も減らせます。

5.まとめ

今回は、ホスティングとクラウドの違いについて詳しく解説しました。ホスティングとクラウドは混同されがちですが、契約内容の柔軟性に大きな違いがあります。
どちらのサーバーを選択するべきか、サーバーの利用方法によって判断することが大切です。

「ホスティングとクラウドの違いは分かったけど、クラウドの始め方が分からない」「クラウド利用は決まったけれど、どのサービスを選べばいいかわからない」このような悩みを抱えている企業の方も多いのではないでしょうか。

クロス・ヘッドにはAWSに精通したエンジニアが多数所属しており、お客様のニーズに合わせたクラウドサービスの提案を致します。是非一度お問い合わせください。

 


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