【VPNとは?】メリットやデメリット・他のAWSの接続方法をわかりやすく紹介

目次
      1. VPNとは
      2. VPNのメリット
      3. VPNのデメリット
      4. AWS環境に接続する方法
      5. まとめ

 


AWS接続の際に、VPNが必要だと聞いたことがある方も多いかもしれません。では、VPNとはどのようなものかご存じでしょうか。

VPNは、暗号化されたセキュアで特定の人だけが利用できる仮想の専用ネットワークのことです。VPNを活用することで、フリーWi-Fiでも安心安全にネットワークを利用することが可能です。リモートワークや在宅勤務など働き方が変化してきたことを踏まえると、VPNは会社の機密情報を守るために必須だと言えるでしょう。

今回は、VPNについて詳しく解説します。VPNの重要性とAWSへの接続方法を把握するために、ぜひ参考にしてください。

1.VPNとは

VPNとは、「Virtual Private Network」の略であり、日本語では「仮想専用線」と呼びます。つまり、インターネット上に仮想の暗号化された専用線を設け、限定された人だけが利用できる専用ネットワークです。接続したい拠点に専用ルーターを設けてVPNを実装することにより、利用できます。
トンネリング・暗号化・承認などが利用できるため、外部から通信の内容を読み取られない通信網が構築される仕組みです。

専用線との違い

VPNと比較されやすい接続方法として、専用線が挙げられます。専用線とは、自社専用のネットワーク回線を指します。公衆網と比較して情報漏えいのリスクが少なく、通信品質が安定しているという特徴があります。セキュリティ面がVPNより優れているのもメリットの1つです。しかし、専用線は拠点の距離が遠くなるほど費用が高額となってしまうといったデメリットもあるのでご注意ください。

2.VPNのメリット

VPNによって、主に以下の3つのメリットが得られます。

【VPNのメリット】
●  遠方からでも低コストでアクセスできる
●  盗み見られるリスクが低い
 モバイル端末でも利用可能

メリットを把握しておくことで、VPNが自社に合っているか確認できるでしょう。詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。

遠方からでも低コストでアクセスできる

VPNは、専用線とは異なり、お互いが遠く離れていてもコストに変化がないのが魅力です。例えば、海外に拠点を持つ会社の場合、専用線を引くためには多額のコストが必要です。しかし、VPNを採用することにより専用線を引かずに管理・アクセスが可能なので、大幅なコストカットが図れます。
また、VPNは拠点同士に加えて、クライアントのパソコンやモバイル端末からの接続も可能です。拠点間・モバイル端末でのやり取りがスムーズになり、作業効率が上がることも期待できるでしょう。

盗み見られるリスクが低い

VPNは、セキュアな通信を可能とする技術であるため盗み見られるリスクが低く、安心して利用できるのもメリットです。
また、VPNによる暗号化の方法として、以下の2つが挙げられます。
●  共通鍵暗号化方式
●  公開鍵暗号化方式

【VPNの暗号化方式】
● 共通鍵暗号化方式
共通鍵暗号化方式とは、データの暗号化を送信者と受信者が同じ鍵で行うことであり、通信内容を把握するためには相手に鍵の内容を伝えなくてはなりません。データの暗号化処理速度が速いのがメリットですが、データを送信する人数分の鍵が必要であり、送信した鍵が盗まれる危険があるため注意が必要です。この方式を採用したVPNとして、「Ipsec VPN」が挙げられます。
● 公開鍵暗号化方式
公開鍵暗号化方式とは、データの暗号化を誰でも使用できる「公開鍵」と、所持している本人しか使用できない「秘密鍵」という2つの鍵で行うこと。公開鍵で暗号化した内容をあらかじめ所持する秘密鍵で開封する仕組みなので、鍵のやり取りが必要なく、安全性が高いのが特徴です。この方式を採用したVPNとして、「SSL-VPN」が挙げられます。

モバイル端末でも利用可能

VPNは、クライアントのパソコンやモバイル端末のような持ち運びの多い機器からでも、セキュアに社内ネットワークへアクセスすることが可能です。
働き方改革によって出社して働かずに在宅勤務をする人が増えました。場所に縛られない働き方は年々増えており、モバイル端末を利用して仕事をする人も多いでしょう。
社外からモバイル端末を利用して社内サーバーやシステムにアクセスする機会が増えることで心配されるのが情報漏洩です。この点、VPNを利用することにより、社外からでも手軽かつ安全なアクセスが可能。働き方が多様化する社会背景の中、VPN導入する企業は今後も増えていくと推測されます。

3.VPNのデメリット

多くのメリットがあるVPNですが、デメリットもあります。

【VPNのデメリット】
● 通信速度が遅くなる場合がある
● 情報漏洩の可能性がある

メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、本当に自社に必要かどうか判断できます。それぞれについて詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。

通信速度が遅くなる場合がある

VPNを使う場合、通信速度が遅くなることがあります
中でも、通信にインターネット回線を用いる「インターネットVPN」と呼ばれる方式の場合、既存の公衆回線を利用するため、回線が混み合っていると通信速度が低下する可能性があるので注意が必要です。例えば、お昼時など通信が集中する時間帯には速度が低下することがあります。

情報漏洩の可能性がある

VPNを利用したとしても、情報漏洩の可能性はゼロではありません
実際にあった事例として、警察庁が不正アクセスを受けたケースがあります。複数のIPアドレスから不正アクセスが行われたのですが、原因はVPN機器の脆弱性を利用したサイバー攻撃でした。
また、VPNを利用する場合、定期的にVPN装置のセキュリティパッチを適用する、正しくパスワードを管理する等、システム運用を怠らないことが大切です。

導入コストがかかる

例えば、ネットワーク機器を利用した拠点間VPNの場合、VPNは高度なセキュリティ設定のため、利用中のネットワーク機器次第では、機能が搭載されていない可能性があります。その場合は、新規にVPN装置を購入しなくてはなりません。
加えて、VPN装置の購入タイミングが業務に影響を及ぼさないよう注意が必要です。
VPN導入の際には、自社のIT資産や環境の見直しが必要であり、場合によっては新規投資が必要である点にはご注意ください。

4.AWS環境に接続する方法

システムのクラウド化が進む中、クラウド環境とオフィスや在宅環境を接続することは、業務を遂行するために非常に重要だと言えるでしょう。AWSのようなクラウドサービスに接続する際には、以下の3つの選択肢があります。
●  インターネット接続
●  VPN
●  AWS Direct Connect

AWS環境に接続する場合、インターネット経由での接続が一般的でしょう。一方、よりセキュアな接続方法を確保するための方法として、これまでご説明したVPNと、AWS Direct Connectが挙げられます。
AWS DirectConnectとは、AWSと自社の拠点やデータセンターを専用接続できるサービスのことです。専用線でAWSに接続するため、高いセキュリティと安定した速度でデータ通信が可能です。
選択する接続方法によってセキュリティの強さや安全性・必要コストが異なる点にご注意ください。

5.まとめ

今回はAWS接続の際に利用される、VPNについて紹介しました。VPNはセキュアな遠隔接続・リモート接続を実現できるため、働き方が変化する現代においても良く利用されている通信方法です。AWSとオフィス環境の接続が求められる際は、セキュリティ面が非常に重要であることから、VPNも有効な選択肢です。しかし、AWSに詳しいエンジニアが社内にいないなどの理由から、導入検討の段階に踏みとどまってしまうケースもあります。

クロス・ヘッドには、AWSに精通した技術者が多数在籍。安心してクラウドサービスを利用できるよう幅広くサポートしているため、お客様のニーズに合わせて提案します。クラウドサービスに関して困ったことや・不明なことがあったら、クラウドサービスのプロである弊社に相談ください。

 


クロス・ヘッド関連サービス

 


※Cloud Compassはクロス・ヘッド㈱が運営するクラウドサービスです。

おすすめ記事